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「puma blizzard titan/ThreeTrader(ピューマブリザード タイタン/スリートレーダー)」という今注目の高速ブレイクアウトEAのガチ検証をしていきます。「eagle blizzard α」「swallow blizzard」等の朝スキャEAを手掛けてきたヒロさんが開発して最近公開されたとても斬新なEAですが、具体的にどんな特徴で、どの程度のパフォーマンスが期待できそうかということを見ていきたいと思います。
尚、ヒロさん製作のEAは当ブログではいくつも記事を書いてきてますが、「eagle blizzard α/Σ」「swallow blizzard」「eagle blizzard cx/world cx」「phoenix blizzard」に関しては下記よりご覧ください。
- 「puma blizzard titan/ThreeTrader」とはどんなEA?特徴は?
- 「puma blizzard titan/ThreeTrader」のバックテスト結果(Tick Data Suiteの変動スプレッド)
- 「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(myfxbook)
- 「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(リアル口座/3週間経過)
- 「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(リアル口座/2ヵ月経過)【2022年7月8日追記】
- 「puma blizzard titan」がとうとう口座破綻!フォワードテスト結果・分析(リアル口座/6ヵ月経過)【2022年10月27日追記】
「puma blizzard titan/ThreeTrader」とはどんなEA?特徴は?
ブレイクアウトエントリー&トレーリングストップ
「puma blizzard」は高速ブレイクアウトEAと呼ばれていますが、具体的にはブレイクと判断できるレートを自動的に認識して順張りの指値注文が予め入り、そのレートに到達したらエントリーするのと同時にトレーリングストップ(※)の注文が入る仕組みになっているEAです。
EAを稼働オンにすると、下記のように指値注文が常にいくつも入っている状態になり、日本時間深夜~早朝(NY時間後場)に自動的に消えるようになっています。
時間軸・推奨通貨ペア・推奨パラメーター設定・推奨ロット
まず、「puma blizzard」は内部ロジックだと全時間足で認識しているそうですが、MT4のローソク足は必ず1時間足にする必要があり、推奨通貨ペアはEURUSD・GBPUSD・USDJPYの3つです。
次に、3つの推奨通貨ペアに対する推奨パラメーター設定は下記の通りです。ドル円だけリミットが狭く、ストップがやや広くなっているのが特徴ですね。
尚、推奨ロットは証拠金1万円に対して各通貨0.03ロットとされており、証拠金10万円なら上記画像の通り0.3ロットで設定するのが推奨ということになります。ただし、開発者のヒロさん自身はmyfxbookによると最初の証拠金87,779円の時から0.8ロットで運用されており、この推奨ロットはかなり控えめな数値とも言えますね。
トレードの戦略も方針も人それぞれですので、最終的にロットをどう設定するのかは各自でご判断頂ければと思いますが、1トレードでいくらまで損失を受け入れられるかという点が判断材料の一つになるのではないでしょうか?まあそれも含めて人それぞれだとは思いますが・・・
「puma blizzard titan/ThreeTrader」のバックテスト結果(Tick Data Suiteの変動スプレッド)
まず、「puma blizzard」のバックテストをMT4のストラテジーテスターで行ってみましたが、Titan FX&ThreeTraderともに得たい結果を得ることができませんでした。ヒストリカルデータをMT4のヒストリーセンター以外のところから取得し直したり等も試しましたが、全然上手くいかず・・・
以下、ヒロさんより送って頂いたTick Data Suite(※)の変動スプレッドでバックテストした結果(EURUSD・GBPUSD・USDJPY)です。
2016年1月から約5年3ヵ月分のバックテスト結果ですが、ざっくりとプロフィットファクター2前後、勝率8~9割、損益レシオ0.3前後、最大ドローダウン3%前後ですね。勝率高めだけど損益レシオ低めのコツコツドカン系とも言えますが、トータルでのパフォーマンスはとてもいい感じではないでしょうか?
また、初期証拠金1万ドル&1ロットで最大ドローダウン3%というのは大分小さく、この特徴を活かしてロットをもっと大きくしてもいいのではという考え方もあるかと思います。最大ドローダウン30%まで許容できるのであれば、証拠金10万円に対して1ロット、100万円だったら10ロットという考え方ですね。まあこの辺の設定は人それぞれだとは思いますが・・・
「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(myfxbook)
TDS(Tick Data Suite)を使わないとバックテストの結果が出ないということは「puma blizzard」はかなり繊細で、FX業者のスプレッドとかスリッページで結構変わるのではないかという印象を抱きましたが・・・
やはりこの「puma blizzard」は朝スキャEAと同様にフォワードテストでのパフォーマンスを見てみないことには何とも言えないということで、開発者のヒロさんが取引されている履歴を確認できるmyfxbookを見ていきたいと思います。
以下「puma blizzard titan」のパフォーマンスですが、3月末からここまで2カ月弱の期間で順調に右肩上がりできてますね。この短期間で利益率227%はすごいパフォーマンスですが、ここからもう少し具体的に見ていきます。
プロフィットファクター2.38、勝率71%、損益レシオ1.04というパフォーマンスで、バックテストとはちょっと違いますね。バックテストだと勝率がもっと高い代わりにコツコツドカンしてましたが、フォワードテストだと意外とそうでもないのでしょうか?
でも、まだ期間も短いですし、大勝ちした分が平均利益を一時的に引き上げてるのかもしれませんし、詳しくは次の取引履歴を確認していきます。ポジション保有時間(赤枠)とSL(青枠)に注目です。
まず、大半の取引が1~2分以内で完結しており、その殆どがSL(ストップロス)に引っかかって微益決済になっているのが見てわかるかと思います。要するに、殆どの取引がトレーリングストップに引っかかって完結しているということです。ほぼ秒で決まるのだからバックテストはTDS使わないと結果を確認できないというのはある意味納得ですねw
ブレイクアウトしたら順張りエントリーして、含み益になったらトレーリングストップの注文が入って最低限の利益を確保し、大半は微益決済になる中、途中でトレールのストップにかからずに順調に含み益が伸びれば最大でTP(テイクプロフィット)の入ってる30pips(EURUSD・GBPUSDの推奨設定)の利益を獲得できます。このフォワードテストの109回の取引の中では、TPまで利益が伸びたのは4回のみで数は多くはないですが、ブレイクアウトの勢いがあればここまで利益が出ることもあります。
逆に、エントリー後に一度も含み益にならなければSL(推奨設定はEURUSD・GBPUSDが10pips、USDJPYが13pips)に引っかかるようになっています。このフォワードテストの109回の取引の中でSLで損切りになったのは11回ですね。まあTPまで伸びるよりもSLで引っかかる数の方が多いわけですが、そんな中でも基本的に微益を積み重ねる中でたまに爆益が出ることで、トータルで高いパフォーマンスになっているようです。
尚、「puma blizzard ThreeTrader」については、myfxbookで「puma blizzard titan」と似たようなパフォーマンスの為、本記事では具体的な説明は割愛します。現時点(2022年5月22日現在)では「puma blizzard titan」の方が若干利益が出ているようですが、次の項目でこの2つのEAを私がリアル口座でフォワードテストして比較してみました。
「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(リアル口座/3週間経過)
TitanFXのZeroブレード口座、ThreeTraderのRAW口座にそれぞれ10万円入金し、同じVPS(お名前.comデスクトップクラウド)の中で2022年5月2日から3週間稼働させた結果です。
※ロットは最初の1週間が0.01で、それ以降の2週間が0.5です。
「puma blizzard titan」のフォワードテスト結果・分析
プロフィットファクター1.83、勝率75.61%、損益レシオ0.59はほぼバックテストに近いパフォーマンスですね。勝率が若干低いのはmyfxbookのフォワードの方に近いですが・・・
途中までずっと右肩上がりで完全に無双してましたが、ドローダウンがきてようやくバックテストに近いパフォーマンスに落ち着いてきたといったところでしょうか?
「puma blizzard ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析
私が稼働させてみた結果はmyfxbookとは逆で、ThreeTraderの方がtitanよりもいい結果が出ており、プロフィットファクター2.57、勝率83.72%、損益レシオ0.50はtitan以上にバックテストに近いパフォーマンスですね。
TitanFXの方が約定力が高いのではという意見もありますが、現時点では取引コスト(スプレッド・手数料)の差がそのままパフォーマンスの差に繋がっているようにも見受けられ、取引コストの安いThreeTraderの方が若干有利ということなのかもしれません。
但し、2カ月弱フォワードしているmyfxbookではtitanの方が若干利益が出てるようですし、もう少し長い期間稼働させて様子を見てみないことにはどちらの方がいいのか判断するのは難しい気がします。
というわけで、当面はtitan&ThreeTraderの両方並べてのEA稼働は継続させて、もう少し長い期間かけて様子見したいと思います。
「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析(リアル口座/2ヵ月経過)【2022年7月8日追記】
「puma blizzard titan/ThreeTrader」のフォワードテスト比較検証を2か月間実施した結果の報告です。途中から明確に差が出ました・・・
TitanFXのZeroブレード口座、ThreeTraderのRAW口座ともに証拠金10万円スタートで、同じVPS(お名前.comデスクトップクラウド)の中で2022年5月2日から稼働開始してます。また、ロットは最初の1週間が0.01、2週間後に0.5、1ヵ月後に1と段階的に引き上げています。
※その他のパラメーター設定(TP/SL等)は推奨設定から特に変更はしておりません。
「puma blizzard titan」のフォワードテスト結果・分析
ご覧の通り2ヵ月稼働して証拠金が2倍になりました!
実際のパフォーマンスについても、プロフィットファクター1.63、勝率77.69%、損益レシオ0.41はほぼバックテストに近い数値かと思います。
titanに関しては2ヵ月稼働(後半からロットも倍)させてもトータルではなかなかのパフォーマンスを維持できてるのが見てわかるかと思います。
「puma blizzard ThreeTrader」のフォワードテスト結果・分析
途中まではThreeTraderの方がパフォーマンスがよかったのですが、6月終盤辺りから崩れ始めてしまい、上記のような結果になっています。
プロフィットファクター1.12、勝率75.94%、損益レシオ0.35というパフォーマンスでしたが、損益レシオはバックテストに近いと思いますけど、プロフィットファクターが見劣りしますね。まあそれでもトータルではまだプラスなのですが・・・
また、最大ドローダウン35.31%というのは途中でロットを倍にしたからというのも当然あるのですが、最近スリッページがひどく、ストップロスにかかった時の損失が拡大したというのもあります・・・
やはりtitanの方がパフォーマンスが安定!ThreeTraderはスリッページがきつい・・・
まあヒロさんのYoutubeチャンネルをご覧の方であればこの結果はもうお察しだとは思うのですが、やはりtitanの方がトータルではパフォーマンスが安定します!
ThreeTraderの方がトレーリングストップに引っかからずに利幅が伸びることもあり、逆にtitanは微益で終わることも多いのですが、ここ最近のThreeTraderのスリッページはとにかくひどく、それ以上に損失幅の方が大きくなる傾向にあります。
以下、今週(2022年7月4日~)のtitan/ThreeTraderの取引履歴です。
もはや目を疑うレベルでパフォーマンスに明確に差が出てますね。ThreeTraderの方がスプレッド&取引手数料という点では有利なはずなのですが・・・
エントリー時点ではThreeTraderの方が有利なレートにはなっている場合でも、titanではトレーリングストップに引っかかって微益決済になるところがストップロスまで損失が拡大したり、もしくはエントリーの時点でスリッページして不利なレートで約定してからそのままストップロスに引っかかってさらに損失が拡大したりと全然いいことがないですね・・・
まあ結局朝スキャEAのeagle blizzardと同様、同じロジックでもFX業者によって大きくパフォーマンスが変わる約定力勝負のEAということですね。というわけで私自身も今後はtitanに絞って稼働していきたいと思います。
「puma blizzard titan」がとうとう口座破綻!フォワードテスト結果・分析(リアル口座/6ヵ月経過)【2022年10月27日追記】
半年間のフォワードテスト結果
puma blizzardはその後titanに絞って稼働を続け、状況に応じてパラメーター設定を変えたり等はしてましたが、稼働開始してから半年経ってとうとうTitanFXの口座が破綻した為、フォワードテストの検証はここで一旦打ち切りとさせて頂きます。
※新バージョンがリリースされたらまた検証再開するかもしれませんが・・・
ただ、半年間の間で好不調の波が激しいものの、実際に好調期が二度あり、稼ぐポテンシャル自体は高いものを持ってるEAだと思いますので、使いようによっては(もしくはEAの改良次第では)安定して稼げる可能性は十分秘めているのではないかと考えています。
以下、「puma blizzard titan」のフォワードテスト比較検証を6か月間実施した結果の報告です。
上記残高のグラフをご覧の通り、時期によって好不調の波がとても激しいのが見てわかるかと思います。最初は好調で口座残高が2倍⇒ドローダウンで一時元本割れ⇒2度目の好調期で口座残高が最高値更新⇒急激なドローダウンが止まらずに口座破綻という半年間でした・・・
フォワードテスト中にパラメーター設定・通貨ペア選定を一部変更
フォワードテスト中に実施した試行錯誤について書いていきますが、まず最初の大きめドローダウンがきてから実施したこととして、2022年8月から3通貨全てTakeProfitを10に変更しました(従来はEURUSD&GBPUSD:30、USDJPY:10)。
過去の取引履歴を見る限り、利益の出ている取引の大半が30pipsどころか大きく獲れて10pips程度だった為です。トレーリングストップに引っかかる前にTP10pipsに引っかけるようにすれば、利益効率が上がるのではないかと考えた為です。
また、その最初の不調期の損失の殆どが雇用統計・ECB・日銀の発表前後だった為、同時に重要指標の前後だけ稼働を一時的に停めていました。
※二度目の好調期に入ってからは重要指標でも稼働オンのスタイルに戻しました。
その後、二度目の不調期のドローダウンが急激でとても看過できないレベルだった為、過去の取引履歴で極端にパフォーマンスの悪いGBPUSDのみ下記ツイート後に稼働を停めました。
ここ最近のpuma blizzardのドローダウンが物凄くきついのですが(第二波?)、取引履歴を見ると損失の殆どがポンドドルですね。
— gemforexlove@FX歴8年 (@gemforexlove) October 4, 2022
確かに先週までボラは出てて、朝スキャでもポンド系は芳しくないですが、それにしても時期によって好不調が激しいですね。
敢えてドル円に絞るという手もありますが・・ pic.twitter.com/Su0DkoOVcE
まあそれでもドローダウンは止められず、口座破綻(正確にいえばTitanFXのレバレッジ500倍で1ロットのポジションを保有できない口座残高まで減少)してしまったのですが・・・
尚、口座残高によってロットを調整してもう暫く稼働していればまた好調期がくる可能性もありますし、VPS業者の選定(FX業者のサーバーと近い方が約定力が上がる可能性あり)によってはパフォーマンスが変わる余地はあるかと思います。但し、それでも長期で見ればまた好不調を繰り返す可能性が高いと思われるのと、ヒロさんのmyfxbookを見ても同様のドローダウンが起きてますので、根本的にはEAのロジックが改善されないと、放置して稼ぐとなると現状ではかなり厳しいのではないかと思われます。
注意すべき点・改善点
私が考えるこのpuma blizzardの一番の問題点は、同水準の近いレートで指値注文が集中しやすく、ブレイクしてないのにレンジ上限付近でロング、レンジ下限付近でショートしがちな点かと思います。
例えば、これがトレンドが出ている相場であれば3個注文が集中していたら爆益になる可能性があるものの、最後の3つ目の注文で一時的に反発されてSLに引っかかってトータルマイナスになることもしばしばあります。
また、レンジ相場の時はもっと深刻で、基本的には天井ロング&底ショートなので利益が出ても大抵が微益の中、チャートを見て注文が明らかに集中している時はSLに引っかかる可能性が上がります。
ユーザー側ができる対策としては、ブレイクして利益を伸ばせそうなトレンド相場を選んで稼働させることかなと思います。まあトレンド相場でブレイクする際に反発でSLに引っかかることもありますし、稼働オンオフの判断は正直結構難しいかもしれませんが・・・・
あとは、重要指標の前後はどこのVPSを使っていてもスリッページはありますし、正直あまり稼働はお薦めはできないですね。一時的損失の殆どが重要指標だったというのもありますが・・・
尚、EA側のロジックでもう少し「騙し」に引っかかりにくいようにフィルタリングがされればいいのですが、ヒロさんが次のバージョンのEAをリリースされる際にその点が施されているのかどうかには注目したいですね。
2024年10月15日(火)更新
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