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FXにおいて「RSIを制する者が相場を制す!」という格言がありますが(あくまで私の中ではですがw)、RSIの仕組み・計算式からダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンス、さらにどういう相場が狙い目で、どこに注意すればいいのか等について初心者向けにわかりやすく解説していきます!
私自身のRSIを使ったトレード経験を元に、特に狙いどころや注意点に関しては結構細かく解説しており、RSIに興味がある方やちょうどトレードにお悩みの方が検証する上で、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
RSIとは?
買われ過ぎ・売られ過ぎを判断するオシレーター系インジケーター!
RSI(Relative Strength Index)は日本語に訳すと「相対力指数」ですが、J.Wワイルダー氏によって開発された主に買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する為のオシレーター系インジケーターです。MT4だとチャートの下の部分に表示しているこれですね。
初期値(期間:14)のままだったら、上限ラインの70を上回ったら買われ過ぎのサインで、下限ラインの30を下回ったら売られ過ぎのサインですね。
計算式・エクセルでの計算方法・おすすめ期間は?
それでは、RSIの数値は一体どのように算出されているのでしょうか?RSIの計算式は以下の通りです。
ここでの「n」は期間ですが、下記の通りMT4・MT5だと期間の初期値は「14」になっています。
「n=14」の場合、直近のローソク足14本の中で、相対的に見てどれだけ上昇幅の割合が多いのかを示すのがRSIの数値で、例えば下記のチャート(ユーロドル1分足)で黄色に囲った部分のヒストリカルデータからエクセルでRSIを算出してみるとこんな感じになります。
上記エクセルのスクリーンショットをご覧の通り、直近ローソク足14本の中で上昇幅の割合が大きいとRSIが高くなり、逆に上昇幅の割合が小さいとRSIも低くなります。
「n」は任意の数値を入れて変更することもできますし、検証した結果、数値を変更した方が都合がいいのであれば変更しても問題はないのですが、開発者のワイルダー氏が「14」を推奨しており、世界中の多くのトレーダーも「14」を参照にしてると思われますので、期間はそのまま「14」にして頂くのがおすすめです。
尚、RSIの計算式は別に知らなくてもトレードする上では全く困らないのですが、具体的にはこういう仕組みになっているということだけざっくりとご理解頂ければ幸いです。
見方・使い方:レンジに強く、トレンドに弱い!
RSIは上限ラインの70を上回ったら買われ過ぎのサイン・下限ラインの30を下回ったら売られ過ぎのサインというのが一般的な見方ですが(※)、上限ライン70でショート(売り)&下限ライン30でロング(買い)といった感じで逆張りエントリーで使われる方が多いかと思います。
※上限ラインを80、下限ラインを20だとする見方もあります。
以下のチャート(ユーロドル5分足)だと、RSI70タッチで下がり、30タッチで上がっており、逆張りが綺麗に決まるのが見てわかるかと思いますが、トレンドの出ていないレンジ相場だとこのように逆張りが決まりやすいです。
逆に、以下のチャート(ユーロドル5分足)のように一方通行のトレンドが出ている相場の場合、ジリ上げならRSI70付近で高値張り付き、ジリ下げならRSI30付近で安値張り付きの状態になり、逆張りエントリーしても含み損が広がる一方になってしまいます。
上記のチャートだとさらに質が悪いことに、ジリ上げで売りポジションがつかまって含み損が拡大した状態で損切りできずに重要指標の時間を迎え、結果的に思いっ切り逆行して盛大なストップ狩りを誘発するということが相場の世界ではよく起こります。ある意味伝統芸能ですw
つまり、単純にRSI70でショート&30でロングすればいいわけではなく、逆張りの効きやすいレンジなのか、それとも効きにくいトレンドなのか見極める必要があるということですね。
尚、単純にRSI70/30で逆張りエントリーするよりも、ダイバージェンスなのかどうかを確認してからエントリーした方が精度が上がりやすいかと思います。ダイバージェンスについては次項で説明していきます。
RSIダイバージェンスとは?
トレンドの勢いが弱まってることを示すサイン!
ダイバージェンス(Divergence)はRSI以外にもストキャスティクスやMACDなどの他のオシレーターでも同様に発生するのですが、実際の値動きとオシレーターのチャートが逆行する現象のことです。
通常は上昇トレンドだったらRSIは右肩上がり、下降トレンドだったら右肩下がりになり、値動きと同じような動きになるのですが、下記のチャートのようにトレンドの勢いが弱くなってくると、安値更新したのにRSIは逆行して下値を切り上げるというようなことが発生します。
上記のチャートの場合、下降トレンドから一旦大きく反発した後に少しだけ下値更新した形ですが、前回安値の時と比べて直近ローソク足14本の中での上昇幅の割合が少し増えた分、RSIの逆行が発生しています。
東京時間から下降トレンドが発生し、欧州時間に一旦反発し、NY時間始めに安値更新と同時にRSIダイバージェンス発生で、その後のNY時間では綺麗に反発してるのが見てわかるかと思います。
トレンドが発生してる場合、安易にRSI70/30で逆張りするよりは、RSIダイバージェンスの発生が確認できたところで逆張りした方が精度が高いです。
RSI単体より精度は高いけど、トレンド転換のサインではないので注意!
但し、RSIダイバージェンスはあくまでトレンドの勢いが弱まってることを示すサインに過ぎず、トレンド転換のサインではない点には要注意です。
下記のチャートでは米雇用統計で大きく下落してそのまま下値張り付きの下降トレンドが発生し、RSIが下値切り上げのダイバージェンスになっているのですが、そのまま反発することなくNYクローズし、週明け下窓スタートで掴まったロンガーたちが撃沈するようなチャートですね。
上記チャートでは米雇用統計の後なので、下値張り付きの場面でも見た目よりはボラティリティーがあるのでスキャルピングの逆張りならそれなりにいけるのですが、このようにバンドウォーク的な強いトレンドが出てる時はRSIダイバージェンスでもトレンド転換にはなりにくいです。
トレンド転換による強い反発を狙いたい場合、RSIダイバージェンスと合わせてダウ理論で三尊(逆三尊)・ダブルトップ(ダブルボトム)のような反転サインが確認できるまで待った方が無難です。
また、そこまで強くないトレンドの逆張りで、トレンド転換狙いではなく、欲張らずに小さい反発狙いのスキャルピングだったらRSIダイバージェンスは結構精度が高いかと思います(※)。
RSIヒドゥンダイバージェンスとは?
順張りの隠れRSIダイバージェンス!
オシレーターのダイバージェンスには実はもう一つヒドゥンダイバージェンス(Hidden Divergence)という隠れたダイバージェンスもあります。
トレンドの勢いが弱まってることを示すダイバージェンスとは逆に、ヒドゥンダイバージェンスはトレンド継続を示唆するサインです。
下記チャートのように下降トレンドで高値を切り下げてる時に、RSIが逆行して高値が切り上がっていたらヒドゥンダイバージェンスで、下降トレンドの継続を示唆しています。
人によって賛否が分かれる!?他のテクニカル指標と合わせて使うのが無難!
ヒドゥンダイバージェンスは結構人によって使えるのかどうか賛否が分かれるようで、順張りで使えて最強だという人もいれば、全然使いどころがないという人もいます。
上記のチャートでも、結果的にはRSIを切り上げた後に下落しましたが、上昇の勢いが強いからRSIを切り上げたわけであって、そのまま下げずに上げ続けてトレンド転換する場合だってあるわけです。RSIが切り上がったというだけで戻り売りをしたら、特に重要指標や取引時間帯(東京時間⇒欧州時間、欧州時間⇒NY時間の変わり目は要注意)によっては思いっ切りやられる可能性がありますので、他のテクニカル指標等と組み合わせて使うようにした方が無難かと思います。
RSI70/30とダイバージェンスを使ったトレードの狙いどころ・注意点は?
まずは各自検証を!ダイバージェンスは無料インジケーターの精度がどれもいまいち?
まず、RSI70/30で逆張りするEAはEAつくーるで簡単に作成できるのですが、ダイバージェンス(もしくはヒドゥンダイバージェンス)で逆張りするEAは要件が複雑な為、EAつくーるでは作成できません。
また、ネット上で無料で入手できるRSIダイバージェンスのインジケーターはいくつもあり、EAつくーるのカスタムインジケーターに組み込んでEAで使えるものもあるのですが、正直私が一通り見た限りでは、無料のインジケーターで精度の高いダイバージェンスのサインが出るものは一つもないです。しかも、インジケーターの製作者によってサインの出る箇所にかなりバラつきがありますし・・・
だから、RSI70/30とダイバージェンスをEA化してバックテストで比較したければ、ダイバージェンスのインジケーターかEAを有料で購入するか(有料だから精度が高いとは限りませんが・・・)、ご自身でMQLでプログラミングする他ありません。裁量だったらForex TesterやTrade TrainerなどのFX検証ソフトで比較検証するのがおすすめですが、その前に過去チャートを遡ってみて想定するエントリー&イグジットに再現性があるのかどうかある程度当たりをつけておくのがいいかと思います。
上位足がレンジの通貨ペアの方が逆張りが決まりやすい?
参考までに私の考える狙いどころについていくつか紹介していきますが、逆張りエントリーが前提なら基本的には上位足がレンジ相場の通貨ペアの方が下位足でも逆張りが決まりやすいかと思います。
下記のチャートはユーロドルの週足ですが、とてもわかりやすいレンジですよねw
いずれは上下どちらかにブレイクしてトレンドになるでしょうし、日足以下での細かいトレンドはあるので常に1分足や5分足のRSIの逆張りが決まるわけではないのですが、ドル円や他クロス円のような明らかにトレンドの出ている通貨ペアに比べたら逆張りは決まりやすいかと思います。
また、ユーロドルは取引量が世界一多く、流動性が高くてテクニカルが効きやすいという点を考慮してもRSIの逆張りでわりと有利といえるかもしれませんね。
尚、上位足の方がRSI70/30やダイバージェンスが意識されやすいですので、1分足や5分足で逆張りする場合でも、必ず上位足の状況を確認した上で判断するとより精度が上がるかと思います。上記の週足チャートではヒドゥンダイバージェンスになってる箇所(※)もありますね。
※黄色と赤色の丸の箇所です。RSIが切り下がってるのが若干見にくいかもしれませんが・・・
取引時間帯の変わり目(東京⇒欧州⇒NY)に注意!
レンジになりやすい時間帯、トレンドが出やすい時間帯がありますよね。下記のチャートをご覧の通り、ユーロドルだと東京時間はボラティリティーの小さいレンジになりやすく、RSI70/30(もしくはダイバージェンス)の逆張りがわりと決まりやすいかと思います。
但し、NY時間でトレンドが出ていた時は東京時間でも追随することが多く、そうでなくてもいつもレンジになるとは限らないので決して妄信はできませんが・・・
また、東京時間⇒欧州時間の変わり目(16-18時頃)、欧州時間⇒NY時間と変わり目(21-23時頃)に相場の流れが変わりやすい点には要注意です。
それまでレンジだったら変わり目の時間帯にトレンドが出やすく、安易にRSI70/30で逆張りするとやられる可能性が上がります。
逆に、それまでトレンドが出ている場合、変わり目の時間帯で勢いが弱くなり、ダイバージェンスで一旦反発することが多いです。但し、一旦反発してもそう簡単にトレンド転換するとは限らないので、あくまで「一旦反発」ということに限れば精度はわりと高いかと思いますが・・・
重要指標後、ボリンジャーバンドのエクスパンション後やバンドウォーク中は危ない!
下記のチャートではボリンジャーバンドの±2σ/3σ(期間20)を表示しており、-2σに沿ってジリ下げしてるのが見てわかるかと思いますが、このように明らかにバンドウォークで強いトレンドが出てる最中にRSI70/30もしくはダイバージェンスで逆張りするのは危険です!
一旦バンドウォークになったらどこで流れが止まるのかなんてわかりませんからね・・・
ただ、これは前項の話とも繋がりますが、取引時間の変わり目で流れが一旦止まることは多いです。一旦止まるだけでトレンド転換するかどうかは話は別ですが・・・
上記のチャートだと、米PPI後に一旦上昇後、強い下降トレンドが発生してますが、やはり重要指標後は要注意です。ちょうどこの時は前日に米CPI後のドル売りをFOMCで全否定し、ドル買いに風向きが変わった頃でトレンドが出やすい地合いだったんですよね・・・
また、ボリンジャーバンドで見た場合、できればバンドウォークになる前に危険を察知したいところですが、スクイーズ(値動きが鈍くなくなり、バンドの幅が狭くなっている)になってる状態で取引時間の変わり目や重要指標を迎えた時はエクスパンション(値動きが大きくなり、バンドの幅が広くなる)しやすいので危ないです。
逆張りだけではなく、順張りトレンドフォローでも使える!
RSI70/30やダイバージェンスでの逆張りは基本的に反発狙いで、トレンド転換までは狙わないということが多いかもしれませんが、上位足でのトレンド方向に絞って下位足でRSIの逆張りエントリーをしてトレンドフォローで使うという方法もあります。
下記のチャートはユーロドル5分足ですが、日足~15分足が全て下降トレンド中で、東京時間に緩やかな反発がきてRSIダイバージェンス発生後、欧州初動の時間に大きく下落しています。
ちょうど欧州PMI祭り(PMI速報値)があったから大きく動いたというのもあるのですが、取引時間の変わり目を前にして上位足のトレンド方向にエントリーサインが出ており、値幅が取れる期待値の高いポイントではありますよね。
また、短期では逆張りエントリーなのでほぼ天井付近で売りポジションを持てるわけですよね。崩れかかったところで追って順張りエントリーするのに苦手意識がある方は、条件さえ合えばRSIの逆張りエントリーでもトレンドフォローで値幅を狙ってみるも十分ありかと思います。
もちろん、どんな相場でもブレイクやトレンド転換は一切狙わず、堅実に細かい値幅だけをひたすら獲り続けるという考え方でもいいとは思うのですが・・・
以上、RSIやダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスなどに興味ある方、ちょうどトレードでお悩みの方にとって本記事が少しでもお役に立っていれば幸いです。本記事を一度読んだだけではあまり意味がありませんので、是非再現性の高いトレードができるようになる為に、頑張って検証してみましょう!
2024年12月3日(火)更新
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