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GEMFOREX(ゲムフォレックス)の人気EA「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のガチ検証について本記事にて随時更新していきます。EAの概要・パラメーター設定の解説・バックテストでの最適化の結果・フォワードテストの結果&分析について書いていきます。
尚、GEMFOREXの無料自動売買ソフト(EA)の全般的な内容、激子さんシリーズ最新作の「祭・鉄火場の激子さん EURUSD」、同じナンピンマーチン系の人気EAシリーズ「助さん格さんGOLD」に関する記事は下記をご参考ください。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」とはどんなEA?
「宙」は「そら」 と呼ぶそうです。「鉄火場の激子さん」シリーズのEAは今までいくつか出ており、「宙」の他に「真」「極」「咲」があり、現在(2021年9月25日)GEMFOREXでダウンロード可能なのは 「宙」「真」のみです。また、「宙」はEURUSDの他、GBPJPY・AUDNZD用のEAもあります。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」は、ユーロドル1分足のナンピンマーチン型で爆益の期待値が高いEAということで人気があるのですが、100か0かハイリスクハイリターンのEAでもあり、名前の通り激しいのが特徴です。アイコンの腕章にも「過激」と書いてますしねw
また、基本的にはレンジ相場には滅法強く、一方的な大きなトレンドが出た時には弱いです。マーチンゲールしていくので逆行すればするほどロットが大きくなり、その分上手くいけば利益も大きくなりますが、利確ポイントまで戻らずにずっと逆行が続けばゼロカットされて口座資金を全部失うことになりますし、リスク管理がとても重要なEAであるともいえます。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のパラメーターの設定変更について
一方通行の値動きになった時に危なくなる「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」ではありますが、ご自身でパラメーターの数値を変更することである程度はリスクを軽減することも可能です。
以下、MT4の「ストラテジーテスター」>「エキスパート設定」内にある「パラメーターの入力」から数値を変更できます。EAマニュアルにも詳しい説明が書いてあるので、EAをダウンロードしたらまずはそちらをご覧頂きたいのですが、一応私なりに噛み砕いて上から順番に簡単に説明していきたいと思います。
MagicNumber(Other than 0)
マジックナンバーはEA独自の識別番号で、このEA一つしか稼働させない場合は変更せずにそのままで大丈夫です。ただ、別のEAと同時稼働させる場合、マジックナンバーが同じだと競合してしまってエラーで稼働できなかったりするので、必ず数値が被らないように変更してください。
また、裁量のポジションはマジックナンバーが自動的に0になりますので、これにも競合しないように0以外の数値にするようにしましょう。
Lots
ナンピンマーチンの1個目のポジションのロットです。初期値では最小の0.01になっており、このLotsの数値を上げれば、その後逆行した時のナンピンマーチンのロットも掛け算で大きくなります。
尚、この初期値が最小ロットだからとむやみに数値を上げたらリスクが半端なく激増するので、基本的に最初は0.01で稼働して頂くことをお薦めします。実際0.01のままでもそれなりには稼げます。その理由は次の「Lot Table Mode」をご覧頂ければわかるかと思います。
Lot Table Mode
激子さんのパラメーターの中では結構重要な項目の一つですね。逆行した時のナンピンマーチンのロットの上げ方を緩やかにして、リスクを軽減することができます。
「1/1 MODE」「1/2 MODE」「1/3 MODE」の3つのモードを選択できるようになっており、初期値は「1/1 MODE」 です。リスクの高さは「1/1 MODE」>「1/2 MODE」>「1/3 MODE」の順番で、ロットを抑えれば当然期待できる利益は少なくなりますが、その分ゼロカットされるリスクは少なくなります。ゼロカットされてしまったら元も子もありませんが、どのモードを選択するのかは最終的には個人の戦略次第ですね。
STEP | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Lots | Total | Lots | Total | Lots | Total | |
1 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
2 | 0.02 | 0.03 | 0.01 | 0.02 | 0.01 | 0.02 |
3 | 0.04 | 0.07 | 0.02 | 0.04 | 0.02 | 0.04 |
4 | 0.07 | 0.14 | 0.04 | 0.08 | 0.03 | 0.07 |
5 | 0.12 | 0.26 | 0.06 | 0.14 | 0.04 | 0.11 |
6 | 0.18 | 0.44 | 0.09 | 0.23 | 0.06 | 0.17 |
7 | 0.27 | 0.71 | 0.14 | 0.37 | 0.09 | 0.26 |
8 | 0.39 | 1.1 | 0.2 | 0.57 | 0.13 | 0.39 |
9 | 0.54 | 1.64 | 0.27 | 0.84 | 0.18 | 0.57 |
10 | 0.72 | 2.36 | 0.36 | 1.2 | 0.24 | 0.81 |
11 | 0.94 | 3.3 | 0.47 | 1.67 | 0.32 | 1.13 |
12 | 1.27 | 4.57 | 0.64 | 2.31 | 0.43 | 1.56 |
13 | 1.75 | 6.32 | 0.88 | 3.19 | 0.59 | 2.15 |
14 | 2.44 | 8.76 | 1.22 | 4.41 | 0.82 | 2.97 |
15 | 3.4 | 12.16 | 1.7 | 6.11 | 1.14 | 4.11 |
16 | 4.69 | 16.85 | 2.35 | 8.46 | 1.57 | 5.68 |
17 | 6.37 | 23.22 | 3.19 | 11.65 | 2.13 | 7.81 |
18 | 8.5 | 31.72 | 4.25 | 15.9 | 2.84 | 10.65 |
19 | 11.14 | 42.86 | 5.57 | 21.47 | 3.72 | 14.37 |
20 | 14.35 | 57.21 | 7.18 | 28.65 | 4.79 | 19.16 |
21 | 18.19 | 75.4 | 9.1 | 37.75 | 6.07 | 25.23 |
22 | 22.72 | 98.12 | 11.36 | 49.11 | 7.58 | 32.81 |
23 | 28 | 126.12 | 14 | 63.11 | 9.34 | 42.15 |
24 | 34.09 | 160.21 | 17.05 | 80.16 | 11.37 | 53.52 |
25 | 41.05 | 201.26 | 20.53 | 100.69 | 13.69 | 67.21 |
ここで注意すべきなのが、GEMFOREXの一口座で獲れる最大ポジション数が30個・最大30ロット(※)までということなのですが、上記表にて各モードで獲れるポジション数のところを赤字にしています。
- 1/1 MODE:最大ポジション数17、最大ロット23.22(最後のポジションは6.37ロット)
- 1/2 MODE:最大ポジション数20、最大ロット28.65(最後のポジションは7.18ロット)
- 1/3 MODE:最大ポジション数21、最大ロット25.23(最後のポジションは6.07ロット)
最大ロットがいくらかというのは実はそこまで重要なことではなく、モードを変更するとロットの大きさを1/2か1/3に抑えることができるというのがポイントですね。
Max Position
最大ポジション数の項目で、初期値は「1/1 MODE」の最大値である17になっています。「1/2 MODE」の場合は20、「1/3 MODE」の場合は21に設定しておきましょう。
Cut Loss (0:off)
上の「Max Position」で設定した最大ポジション数まで到達してから何pips逆行したら全ポジション損切りするかという設定項目です。初期値は0になっていますが、この0というのは損切りの設定をしないということです。
含み損が一定水準を越えたら一旦損切りするのか、それともゼロカットされるまで耐えるのかどうかは個人の戦略次第ですね。
Shrinking Profit Level 1,2 + Shrinking Profit Margin 1,2
あくまで個人的にですが、激子さんのパラメーターの中ではある意味一番重要な項目かもしれないと思っています。
ポジション数が増えて含み損が大きくなり、利益が少なくてもいいからなんとかプラス決済で救出して生き残る確率を上げたい!という場合に有効な設定項目です。2段階の設定ができるようになってますが、以下4つの項目について説明します。
※初期値は2段階ともにOFFになっており、ポジション数が大きくなっても利確ポイントは激子さんの内部ロジックのままです。
- Shrinking Profit Level 1 (0:Off ,be greator than Level2)
- Shrinking Profit Margin 1
- Shrinking Profit Level 2 (0:Off)
- Shrinking Profit Margin 2
例えば、ポジション数が10以上になった時に損益分岐点から3pips順行したら利確、ポジション数が15以上になった時に損益分岐点から1pips順行したら利確ということにしたい場合は下記のように設定します。
- Shrinking Profit Level 1:15
- Shrinking Profit Margin 1:1
- Shrinking Profit Level 2:10
- Shrinking Profit Margin 2:3
設定する数値は「Level 1」>「Level 2」でないとEAがエラーで動きませんのでご注意ください。
また、「Level 1」&「Margin 1」、「Level 2」&「Margin 2」は必ずセットで設定してください。「Level 1,2」の設定をしたのに「Margin 1,2」がOFFのままだとEAがエラーで停止になる仕様になっているのでくれぐれもご注意ください。
Max Order Volume(0.01~30)
1ポジションで獲れる最大ロット数の項目で、初期値はGEMFOREXの最大値でもある30(※)になっています。
※2022年8月22日からGEMFOREXの最大ロット数は30→200LOTに変更されました。
例えば、「1/1 MODE」の時にこのMax Order Volumeを3.0にした場合、15ポジション目以降は全て3.0ロットとなり、これ以上ロットを上げずにリスクを抑えることができます。
Spread Limit(0:off or 10~)
土曜日早朝・月曜日早朝時のようにスプレッドが拡大しやすい時間帯に、ポジションを持っていない場合に新規ポジション(1STEP目)を獲らないようにする設定項目です。初期値は0(OFF)です。
「1point = 0.1pips」ですので、例えば5pips以上開いたら新規ポジションを獲れないようにしたい場合、50.0に設定しましょう。
尚、ポジションを既に持っている場合、2STEP目以降のナンピンマーチンについてはこの設定の影響を受けずにポジションを獲り続けます。
Stop after 12;00(ServerTime) on Friday
MT4時間の12時(日本時間で夏18:00、冬19:00)以降になったら1STEPの新規ポジションを獲らないようにする設定項目です。初期値はOFFです。
上の「Spread Limit」と同様、ポジションを既に持っている場合、2STEP目以降のナンピンマーチンについてはこの設定の影響を受けずにポジションを獲り続ける為、週末持越しが完全に無くなるわけではないのでご注意ください。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のバックテスト・最適なパラメーター設定について
まず、「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」の過去1年間分を初期値のままバックテストしてみた結果が下記の通りです。
これぞ教科書通りのコツコツドカンだと言わんばかりの資産額の推移ですねw 約9ヵ月間ずっと順調に右肩上がりで、口座資金が最大で2.5倍くらいまで増えましたが、その後つかまって一気にゼロカットされました。やはり激しいEAですねw
「Lot Table Mode」を「1/1 MODE」のところを「1/2 MODE」「1/3 MODE」に変更して試してみましたが、やはり同じタイミングでゼロカットされました。少々ロットの上げ方を緩くしたところで一方通行の値動きがきたら簡単にやられてしまうということですね・・・
そこで、他のパラメーターをいじってこのゼロカットの危機を乗り越えられるかどうかいろいろ試してみましたが、「Shrinking Profit」の設定変更が一番有効ではないかという結論に至りました。ポジション数が多くなって含み損が大きくなってきた局面で、一瞬でもプラス転換した時に微益で逃げ切るようにしておけばわりと生き残りやすいということです。
「Shrinking Profit Level 1」=13,「Shrinking Profit Margin 1」=3に変更して再度バックテストしてみた結果が以下の通りです。
「Shrinking Profit Level 1」=14だとゼロカットされましたので、ここが生き残るギリギリのラインだったようですね。ただ、この設定のままだと過去1年間は生き残れても、それ以前の相場だとゼロカットされてしまいます。
そこで、「Lot Table Mode」=「1/3 MODE」、「Shrinking Profit Level 1」=10,「Shrinking Profit Margin 1」=1に変更してみたら過去4年間はなんとか生き残れました。
※下記の「Lot Table Mode=2」というのは「1/3 MODE」のことを指します。
ちなみに、上記以前の期間だとこの設定でもゼロカットされてしまいます。4年放置でも利益が出ること自体すごいことだとは思いますが、やはり相場状況によってEAにも向き不向きがありますので、どのEAを選択して稼働させるのかの見極めが大事だということですね。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」の最適化検証を過去3年分実施した結果について【2021年9月27日追記・ 2021年9月28日修正】
上記の項目でパラメーターの設定については既に言及しておりますが、ここでは過去3年分をMT4で最適化した詳細の結果を載せておきます。実際にパラメーター設定をどうするかの参考の一つにでもして頂ければ幸いです。
最適化検証の前提条件
下記3項目について1年毎に3年分最適化検証を行います。
- 「Lot Table Mode」:1/1 MODE~1/3 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:10~13
- 「Shrinking Profit Margin 1」:1~3
2020年9月24日~2021年9月24日の最適化結果【2021年9月28日追記・修正】
下記が最もパフォーマンスの高いパラメーター設定でした。 プロフィットファクター=1.85
- 「Lot Table Mode」:1/1 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:13
- 「Shrinking Profit Margin 1」:3
初期設定のままだとゼロカットされますが、「1/1 MODE」だとこの最適化検証の設定の範囲内であればどの設定でもゼロカットされることはありません。1/1なら利益も高めなのでいいですね。
ただ、ここで見逃してはいけないのが、「1/1 MODE」(緑色の枠)⇒「1/2 MODE」(青色の枠) ⇒「1/3 MODE」(ピンク色の枠)とナンピンマーチンのロットを下げれば下げるほどなぜかゼロカットされやすい傾向にあるという点です。
プロフィットファクター1.00未満については上記最適化の結果には表示されないようになっていて、100か0かのEAなのでここに非表示=ゼロカットという認識で間違いないのですが、「1/3 MODE」に至っては12パターン中なんと8パターンもゼロカットされています。「1/2 MODE」以下で「Shrinking Profit Margin 1」が3の場合に全滅です。
つまり、ロットが大きくなってきた時の利確ポイントを1pips欲張っただけで生死の明暗が分かれてしまっているということです。ロットを抑えた方が最大ドローダウンが少なくはなるものの、あくまで生き残ればの話ですからね。利確ポイントに寸止めで届かずにそのまま逆行してゼロカット・・・100か0かのEAなわけですし、1pipsの差に泣かない為にもShrinkの設定はあまり欲張らない方が良さそうだとこの結果を見て思いました。
2019年9月24日~2020年9月24日の最適化結果
※「Lot Table Mode」が1/1だと全滅することが最初からわかっている為、1/2・1/3で実施しております。
下記が最もパフォーマンスの高いパラメーター設定でした。 プロフィットファクター=1.63
- 「Lot Table Mode」:1/2 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:10
- 「Shrinking Profit Margin 1」:2
利益を出せたパターンが3つしかありませんでした。「Lot Table Mode」が1/3の時が1パターンしかないのが不思議なので、上記にないパターンで個別にバックテストしてみるとやはりゼロカットされます。不思議ですねw
2018年9月24日~2019年9月24日の最適化結果
※「Lot Table Mode」が1/1・1/2だと全滅することが最初からわかっている為、1/3のみで実施しております。
下記が最もパフォーマンスの高いパラメーター設定でした。 プロフィットファクター=1.81
- 「Lot Table Mode」:1/3 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:13
- 「Shrinking Profit Margin 1」:3
「1/3 MODE」であればどのパターンでもゼロカットされませんでした。
おすすめパラメーター設定(強気・無難の2パターン)
超強気でいくなら初期設定のままいけばいいと思いますが、過去3年のいずれでも途中でゼロカットされてしまいます・・・
強気パターンとして挙げるとしたらまずは下記ではないでしょうか?過去1年間はこれで生き残ってますし、「1/1 MODE」で利益も高めです。
※「Shrinking Profit Margin」の1pips差が生死の明暗を分ける場合もあるので、個人的にはMarginは1~2でいっておいた方がいい気がしますが・・・
- 「Lot Table Mode」:1/1 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:13
- 「Shrinking Profit Margin 1」:3
次に、無難パターンとしては下記ではないでしょうか?利益は1/3になりますが、過去4年はこれで生き残っています。
- 「Lot Table Mode」:1/3 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:10
- 「Shrinking Profit Margin 1」:1
ちなみに、この無難パターンでも5年は生き残っていません。さすがに激子さんをそのまま5年放置することはないとは思いますが、稼働しているEAがその時の相場に合っているかどうかの確認は怠らないように注意しておきましょう。
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のフォワードテスト結果・分析【2021年11月10日追記】
フォワードテスト(初期値)を2週間やった結果・分析
前回記事でも触れましたが、現在(2021年9月26日)「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のフォワードテストをデモ口座でしており、稼働を始めて2週間経ったパフォーマンスは下記の通りです。
※リアル口座で始めたらまた本記事に追記する予定です。
パラメーターは初期値のままで、現時点でのユーロドルの相場状況から判断して敢えてロングオンリーにしていますが、ここまでドローダウンも小さく、プロフィットファクター(PF)が2.83と申し分ない数値が出ています。
ここで、この2週間で最大の含み損を抱えた時の状況について細かく見ていきます。実際にいくら最大で含み損を抱えたのか?目一杯ポジションを抱えた場合の含み損はどれくらいなのか?ということを確認し、今後のパラメーター設定・資金量をどうするかについて今後の参考にする為です。
下記はユーロドル4時間足のチャートですが、赤丸をつけたところでナンピンマーチンしていたトレードを振り返ります。
チャートをご覧の通り、下降チャネルの下限ラインで一旦底打ちした後もまだ売りの地合いが続くのですが、38.2%戻しの髭の先端で全決済されたというのがポイントだと思ってます。ロットを上げ続けるので38.2%戻ししかしなくてもそれなりに利益が出て逃げられるということですね。
少し言い方を変えると、4時間足のトレンドの逆張りだとしても、38.2%戻ししてくれる相場状況だったらパラメーターは初期値でもOKだということです。逆に、これだけの戻しもなく、ひたすら一方通行の相場だったらEAの稼働は厳しいという判断にもなります(パラメーターを一部変えたら生き残れる可能性はありますが)。
次に、実際チャートの大底で含み損が最大でどれだけだったのかを確認していきます。以下MT4の取引履歴にて赤枠で囲ったところが該当のナンピンマーチンのトレードをした箇所になります。
N列の「Profit」は決済時の損益ですので、大底をつけた時(ここでは1.1700)の損益がいくらだったか割り出す必要があります。そして、下記の通り「含み損MAX時」の損益(1ドル=110円の概算)をエクセルで算出したところ、最大で94,321円の含み損を抱えていたことがわかりました。
次に、仮に今回のユーロドルの下落が1.17では止まらず、「Max Position」の初期値である17ポジションまでナンピンマーチンを行って1.165まで下落した場合、740,857円の含み損を抱えることがわかりました。1STEP目のポジションから135.5pipsの逆行でこれだけの含み損を抱えてしまうと考えると少し心許ない印象が残ってしまいますが・・・
そこで、最大ドローダウンを抑える為に「Lot Table Mode」=「1/3 MODE」にした場合にどうなるのかを割り出してみましたが、含み損がちょうど1/3に抑えられることがわかるかと思います。
ここ最近の相場だと「Shrinking Profit」を設定すれば17ポジションまでいく可能性は限りなく低いと思われますが、「1/3 MODE」にすればドローダウンもこれだけ抑えられるということを考慮に入れた上で、パラメーターや資金量をどうするのかを検討されてみてはいかがでしょうか?
フォワードテスト(パラメータ変更&半裁量)を2ヵ月弱やった結果・分析【2021年11月3日追記】
「宙・鉄火場の激子さん EURUSD」のフォワードテスト(デモ口座)を2021年9月9日~2021年10月末までの間実施しましたので、内容について振り返っていきたいと思います。
まず、稼働当初のパラメーター設定は初期値のままでしたが、途中から下記の設定に変更し、かつ相場状況に応じてロングかショートどちらかに絞る、もしくは両建て(やり方は本記事にて後述)をするという半裁量スタイルで稼働させていました。
ロング用・ショート用ともにマジックナンバー以外のパラメーターは同じです。
ロング用・ショート用でチャートを分けて、マジックナンバー(MAGIC NUMBER)の数字をずらし、同一口座内で別EAとして稼働させるという疑似両建てですね。まあ両建てしてる時間はそんなに長くはなく、どちらかに方向を絞ってることが大半ではありましたが・・・
2ヵ月弱稼働させたパフォーマンスは下記の通りです。
プロフィットファクターは大分落ち着いた数字になってきましたが、1.85は上々の結果ですね。損益レシオはやや1を割ってますけど、ほぼ1で勝率が2/3で固定なので、特に問題ないと思います。
また、証拠金100万円に対して、2ヵ月弱で約27万円の利益が出たというのも上出来だとは思いますけど、両建てする期間を長くすれば当然これよりも利益は増えてる可能性がありますし(ずっと両建てしてたら利益2倍になるかも)、利益よりも生き残ることの方が最優先だから利益が減ってでもいかにドローダウンを減らすかを意識すべきだという2つの考え方があると思います。
私はどちらかというと後者寄りではありますが、含み損を減らす方向で上手く立ち回っていくと当然ロットも小さくなるので、あんまり儲からないというのが悩みどころなんですよねw ポジションの方向に大きく動く時も0.01LOTの利確連発ですしw
ちょっと下手な立ち回りをした時の方がロットが大きくなってむしろ利益が出やすいというのがナンピンマーチン系EAの特徴なので、ずっと裁量メインでやってきた私としてはそこの感覚の違いがとても気持ち悪いのですが、もうこれは慣れるしかないでしょうね。まあとはいっても基本チャート監視はせず、EAに24時間働いてもらうという前提なので、慣れもへったくれもないのかもしれませんけどw
ちなみに、最大ドローダウン11.11%とありますけど、これが本当なのであれば相当優秀なんですが・・・この数字の信憑性は怪しいと思ってますw 含み損MAX時にいくら抱えていたか算出してみると大分乖離があったからなのですが、それをこれから見ていきたいと思います。
9/29-30に16STEP目までポジションを取った時が一番含み損が大きかったので、このトレードについて細かく見ていきます。
全ポジション決済時は下記左側のような損益の内訳(1ドル=110円とした時の概算)になっていますが、16STEP目にポジションを取って含み損MAX時(ユーロドル1.15661の時)は下記右側のような内訳になっています。
含み損MAX時が-45.7万円だと出たのですが、そうなると最大ドローダウン11.11%という数字は変で、当時の証拠金が約110万円だとすれば最大40%程度のドローダウンがあったということになります。
まあ他のEAだったら40%のドローダウンは結構高いなという印象になるとは思いますけど、激子さんは100か0かのEAなのでこれを高いと考えるかどうかは意見が分かれるかもしれませんね。
仮に50%越えようが生き残れば良しと割り切るのかどうかですけど、このドローダウンが耐えられないというのであれば「Lot Table Mode」を「1/2 MODE」か「1/3 MODE」に落とす他ないです。1/2か1/3にすれば確かにドローダウンは少なくできますが、ロットを下げることになるので期待できる利益も少なくなるというデメリットがあります。
尚、このトレードを実際のチャート(ユーロドル4時間足)で示すと下記の通りになります。
フィボナッチ23.6%戻しのところで全決済が入りました。「Shrinking Profit」の設定が入っていないポジション数の場合は38.2%戻しで決済が入るようですが(何STEP目からこうなのか等細かいところまでは未確認です。)、「Shrinking Profit Level 1」:13、「Shrinking Profit Margin 1」:3が発動する条件(13STEP以上)になるとだいたい23.6%戻しで利確されるようです。
激子さんがフィボナッチを意識した内部ロジックなのかは全くわかりませんが、私が確認した限りでは利確はだいたいこれくらいでされるようです。10/28のECBを挟んで14STEP目までいった時も、23.6%戻しさえすれば逃げ切れることがわかってたので特に焦ることもありませんでした。
よっぽどの大相場にならない限り、逆方向のトレンドになっても大半の相場では23.6%くらいは戻しますので、今のところパラメーターはこのままで大丈夫なのかなと思っています。まあ「Shrinking Profit Margin 1」は欲張らずに3⇒1に落としてもいいかもしれませんけどね。この1pips差が生死を分けることがあることはバックテストでもわかってますし、激子さんは「Lot Table Mode」でドローダウンを少なくするよりは、「Shrinking Profit」を使って紙一重で逃げ切る方を選んだ方が効率がいい気がします。「Lot Table Mode」を「1/3 MODE」にしようが、大相場で掴まってしまったらどっちにしても逃げ切れませんからねw
2ヵ月弱のフォワードテスト振り返りは以上です。まだリアル口座でのフォワードができていないので、実施したらまた追記する予定です。
フォワードテスト(パラメータ変更&半裁量)をリアル口座で開始&デモ口座でちょうど2ヵ月やった結果【2021年11月10日追記】
本日(2021年11月10日)より3日間開催のGEMFOREXの創業月200%ボーナスキャンペーンで私自身が無事当選されましたので、これを活用してリアル口座で証拠金100万円(正確には999,999円)の状態を作り、デモ口座と同様のパラメーター設定で稼働をスタートしました。
下記ご覧の通り早速ポジションをロング・ショートで取っています。今の相場状況を見て両建てからスタートしていますが、状況に応じてどちらかにポジションの方向を絞る半裁量スタイルで引き続きやっていきます。
まあ朝スキャEAと違って、デモ口座⇒リアル口座でのパフォーマンスの違いは激子さんの場合殆どないと思いますけどね。ポジション数が大分増えてきて、ちょっと反発きた時にギリギリ逃げ切れるかどうかという局面だったら約定力が高い方が当然有利だと思いますけど、朝スキャEAほどの繊細さは必要ないのではないでしょうか?
一応今回変えたことと言えば、激子さんを稼働させるVPSをGEMFOREX(メリックミラー)⇒お名前.comに移したくらいでしょうか?まあ約定力が目的というよりは、リソースの都合上移しただけなんですけどね。メリックミラーのVPSだと若干動作がモッサリしてるので、もしかしたらお名前.comで若干約定力が上がるのかもしれませんけど、別に今までも普通にずっと取引できてましたし、そんな変わらないと思うんですけどね・・・
ちなみに、デモ口座の激子さんは実はまだ稼働中(近日中に止めると思いますが)で、フォワードテスト始めてからちょうど2カ月経つので、最後にもう一度パフォーマンスについて確認していきます。
前回(2021年11月3日)から1週間しか経っていませんが、プロフィットファクターが1.91と若干上がっており、損益レシオも1以上に回復しています。ポジション数が一番多い時で9STEPまでしかなくてドローダウンが小さかったことと、両建てにしてる時間がわりとあったからではないかなと思います。
まあポジション数が増えればロットも上がって爆益に繋がりやすいのも事実なのですが、その頻度が増えれば当然破滅の確率も上がってしまいますので、ポジション数を程々に抑えていかにドローダウンを抑えて生き残る確率を上げるのが最優先ですね。
環境認識を間違えなければ、今の相場だったらそう簡単にやられることはないとは思いますが、状況に応じてポジションの方向やパラメーター設定について都度判断していきたいと思います。
リアル口座のフォワードテスト(パラメータ変更&半裁量)はゼロカットで強制終了!振り返り・分析・今回得た教訓についてまとめ【2021年11月17日追記】
先にツイートさせて頂いてましたが、昨夜のNY時間の値動きで激子さん用の口座は破綻し、大変残念ですが今回のリアル口座でのフォワードテストは強制終了ということになりました・・・
GEMFOREXの創業月200%ボーナスを使って証拠金を3倍にしているので、一応私自身の損失は最小限には留まっているのですが、まあ痛いのには間違いないです・・・
今回残念でした~で私自身の中だけで終わらせるのは簡単なのですが、本記事のアクセス数も大分上がってきていて、私の想定以上にご覧頂いている方が多いようですので、ご覧頂いている方にとって少しでも参考になるように記事を書いていきたいと思います。
今激子さんをご利用されている方や、これから激子さんを使ってみたいと興味をお持ちの方に向けて、この結果を分析して何を次に活かすべきなのかということですね。
では、これから振り返っていきますが、下記はユーロドル1時間足のチャートと取引履歴です。
※今回取引履歴を載せるのはあまり気が進まないのですが、あった方がわかりやすいと思うので載せます。
11/10(水)のNY時間に1.15711でロングを入れたのがナンピンマーチンの1STEP目で、その後1.15を一気にブレイクしてきてジリ下げが続き、11/12(金)の朝に最後の17STEP目の1.14434ロングが入り、その後利確ポイントまで反発することはなく、11/15(月)のNY時間にゼロカットされました。1STEP目からゼロカットされるところまでは約140-150pipsの値幅です。
まず、今回の敗因は下記2点だと考えていますが、もう9割以上①が敗因だといっても過言ではないです。
- 1.15台のレンジがまだ暫く続くと踏んで両建てにしていた
- 含み損が拡大し、不利な状況になってからの立ち回り(ただし、これは難易度大)
以下、ユーロドルの日足チャートです。
具体的なテクニカルの話をし出すと物凄く長くなってしまうので本記事では割愛しますが、要するにユーロドルは短中長期どれも下落トレンド中であるということですね。
私自身も激子さん稼働開始時にもこのような環境認識をしていましたが、最悪1.15を割れてきたとしても今の相場なら17STEP目までに23.6%戻しくらいはするだろうし、むしろポジション数が増えてくればロットも上がって収益が上がりやすいし、このままロングも稼働したままで大丈夫だろうと考えていました。
でも、多分デモ開始当初だったら慎重にトレンド方向に絞ってショートオンリーにしていたと思います。2ヵ月ほどデモで回して結果も出ていて、バックテストでも過去1年は生き残ってるパラメーター設定にしてますし、気が大きくなって油断していた部分もあったと思います。
また、リアル口座での稼働ということで、無意識のうちに欲が入ってしまったと思います。下落トレンド中に激子さんをショートオンリーにしても小ロットのトレードしかやらずに大して儲からないこともわかっていたので、両建てにしてより大きな利益を狙いにいってやろうといった感じで・・・
油断と欲・・・半裁量にしているからこそ起こりうることではありますが、ただ今回のユーロドルの値動きは激子さんが最も苦手な一方的な値動きなので、そもそもどっちにしてもなかなか厳しいというのも事実だと思います。
以下、今回入れていたパラメーター設定です。これをロングとショートで別々に稼働させています。
- 「Lot Table Mode」:1/1 MODE
- 「Shrinking Profit Level 1」:13
- 「Shrinking Profit Margin 1」:3
まず、今回は仮に「Lot Table Mode」を1/3、「Shrinking Profit Margin 1」を1にしていたところで生き残るのはなかなか難しかったですね。今のこの記事を書いている時点(2021年11月17日)でユーロドルは1.132まで下げていますが、1.16から300pipsくらい殆ど反発らしい反発もなく一方的に下げてますからね。
1/3にした場合、最後の21STEP目のロングを入れた時点での想定含み損が約67万円(約定レート等によって誤差あり)で、1STEP目から見て約162pipsの逆行ですが、この最後のロングから約10pips逆行すればゼロカットです。今回はずっと1/1のままにしてましたが、約140-150pipsの逆行でゼロカットされてますので、1/3にしたところで実はそこまで大きく変わらないということなんですよね。
バックテストの段階でLot TableよりもShrinkで凌ぐ方向でいった方が利益も大きいし、生き残る確率もそこまで変わらないというのはわかっていたので結局Lot Tableはいじりませんでした。まあ今回このShrinkで凌げなかったのは誤算でしたが・・・
17STEP目のロングを入れた後に1.143で一旦下げ止まり、激子さんの利確ポイントは1.1468辺りでしたが、一度もプラス転換してませんでした。「Shrinking Profit Margin 1」を1にしてもプラス転換しませんでしたね。強いて言えば1.145-6台には何回か乗せていたので、 戻り売りが入りそうな1時間足20SMA辺りで一部利確というのを繰り返して最終的にトータルプラスで乗り切るということができればよかったのですが、そのまま大きく上がってしまえば利確ポイントが大分上になって逆に不利になってしまうので判断が滅茶苦茶難しく、悩んだ結果結局何もしませんでした。
また、一部下の大きめのポジションを利確したら一旦ロングはオフにするという方法もありましたが、その後さらに爆下げしているのを見るとやはりこれもなかなか難しく、正直今回の1.15割れでロングナンピンしている時点でトータルプラスで逃げ切るのはほぼ無理ゲーですw 戻しが多少あった時点で損失を最小限にして生き残ることは確かにできなくはなかったのですが、長期足レベルのブレイクで逆行するとこれだけ立ち回りの難易度が跳ね上がるということですね・・・
もちろんロングのナンピンマーチンをもっと下からスタートしていれば1.14台では生き残れていたかもしれませんけど、こればかりは運でしかないですからね・・・
まあそもそもEAを稼働させる目的は、できるだけチャートに張り付かず、判断の数を減らしてトレードをシンプルにするということのはずなので、今回の教訓はトレンドが出てる時、激子さんは素直にトレンド方向にポジションを絞って余計なことをしないということに尽きます。目先の利益よりも生き残ることが最優先ということですね。
両建てにするのはトレンドの終盤の兆候がチャート上ではっきりと確認できるようになってからでも遅くないと思います。
多分来年になると思いますが、激子さんについては機を見てまたリベンジします!
「宙・鉄火場の激子さん」シリーズの両建ての方法・注意点について【2021年10月14日追記】
激子さんの両建てについても今試しているところですが、このやり方について解説しているサイトが意外と他にないようなので、激子さんの両建ての仕方について追記しておきます。
まず、激子さんは初期設定だと「Long & Short」となっており、ロングかショートどちらか一方向にナンピンマーチンを続ける仕様の為、両建てを行うことはありません。
ではどうやって両方向に同時にポジションを獲れるようにするのかですが、下記画像のようにロング用・ショート用でチャートを分けて、それぞれ別のEAとして稼働させることで両建てが可能になります。
それぞれのチャートで、下記のように「Only Short」「Only Long」でポジションを獲るように設定します。
また、別EAとして認識させたいので、パラメーターについてはマジックナンバー(MAGIC_NUMBER)をずらします。同じIDのままだと不具合を起こす可能性があるのでご注意ください。
私の場合、従来はトレンド方向にロングかショートどちらかに絞って激子さんを稼働させていたのですが、この両建て設定をしたらトレード回数が増え、当然その分利益も増えました。
ただ、GEMFOREXだと最大ポジション数30と縛りがあるので、トレンドが出てポジション数が増えてきた時にどうなるのかが若干懸念ではありますね(※)。まあでもLot Table Modeが1/1だったら1方向で17個までしかナンピンできませんし、あと13個分余力があると考えればそこまで心配することでもないのかなという気がします。
※2022年8月22日からGEMFOREXのMT4口座の最大保有ポジション数が30個⇒200個に劇的改善されました。勿論より多くポジション数を持てるようになったから生存率が上がるとは限りませんが・・・
両建て設定といっても、別EAを同時に稼働させてるというだけで、同じロット分だけ両建てすることはありませんし、トレンド方向のポジションはだいたい低ロットのまま利確されるので、大トレンドを両建てで凌げるかというとそういうわけではないと思いますw あくまでトレード機会を増やす為の方法の一つだとお考え頂ければ幸いです。
2024年12月3日(火)更新
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