GEMFOREX(Galaxy DAO)
GEMFOREXは2023年5月27日に「M&Aによる事業継承の協議開始」を発表後、5月31日に一時サービス停止となりました。それから協議の結果、債務(出金遅延分)の継承・各種条件・買収金額で合意となり、8月1日にGalaxy DAOへ事業譲渡されたことになっていますが、8月15日公開のホワイトペーパーV1にて出金は行わず、その分独自トークン「GBOND」を発行すると発表されました。10月31日公開のホワイトペーパーV2でも大まかな内容は変わらず、これまでの経緯を踏まえれば出金される期待値は極めて低いと言わざるを得ません・・・。
GalaxyDAOやM&A事業継承の協議、出金遅延等について詳しくは下記をご覧ください。
GEMFOREX(ゲムフォレックス)が取得しているニュージーランドの金融ライセンス「NZFSP:FSP564306」(※)の信頼性と、同じニュージーランドのFMAとどう違うのかについて解説していきます。
トレードする業者選定をする際、金融ライセンスの信頼性が気になるところだと思いますので、それがこの記事で少しでも参考になったら幸いです。
GEMFOREX他海外FX会社が日本の金融庁のライセンスを取得していない理由。やはり怪しい?危険?
まず、GEMFOREXをはじめどの海外のFX会社も日本の金融庁からライセンスを取得していません。下記画像の通り、金融庁ホームページ内にある「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」にGEMFOREXの会社名(青枠)も例外なく記載されています。
日本の金融庁の許可を得る為には、他の国内業者と同じようにレバレッジ25倍・ゼロカットなしで運営しなければいけません。ゼロカットについては、金融商品取引法第三十九条で禁止されています。
(損失補塡等の禁止)
引用元:e-GOV 法令検索 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
これでは国内業者と差別化ができず、顧客満足度の高いサービスを提供できないので、海外FX業者は日本の金融庁からライセンスを取得していません。
日本の金融庁がこんな感じで無登録の海外FX会社に対してはっきりと警告を出しているので、これだけ見ると海外FX業者でトレードするのは危ないんじゃないか?下手したら逮捕されるんじゃないか?とビビってしまうかもしれません。
FX会社がインターネットを通してではなく、国内で直接営業行為をしていたら日本の法律ではアウトですが、そうでないなら海外に拠点のある海外FX業者に対して今の日本の法律(刑法第1条)で取り締まりはできません。
(国内犯)
引用元:e-GOV 法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号)
第一条 この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
とはいっても日本の法律に従って営業している他の国内業者がそれでは面白くないので、金融庁としては国内業者に対してちゃんと認知してますよアピールの為に、ホームページで掲載しているのではないでしょうか?
まあグレーな立場であることは間違いないですし、将来的には法改正するかもしれませんし、どうなるかはわかりませんが、現時点で一般ユーザーがGEMFOREXを使ってトレードすること自体は特に問題ありません。ただ、収益が出ていれば納税の義務(総収益が少なければ非課税ですが)があり、脱税は犯罪ですので、その点だけはくれぐれもご注意ください。
GEMFOREXは2017年7月にNZFSPから金融ライセンスを取得!
GEMFOREX(運営会社:GEM GROUP NZ LIMITED)はそれまでライセンス未取得のFX会社でしたが、下記の通り2017年7月20日付けで、ニュージーランド証券投資委員会(New Zealand Financial Service Providers = NZFSP)から金融ライセンス(FSP564306)を取得しました。
FSPR(Financial Service Providers Register)のサイトからライセンス番号で検索してしっかりと出てきますので、これ自体は疑いようのない事実ですね。
一国家のライセンスを取得してるのだから信頼性は抜群!ということになるのかは、このNZFSPのライセンスがどのような位置づけなのかを確認する必要があります。
NZFSPは金融ライセンスではない?FMAとの違いについて
まず、NZFSPはニュージーランドの金融庁ではなく、FMA(Financial Market Authority)というところがニュージーランドの金融庁に相当します。ニュージーランド国内で金融商品取引業を行う為には、FMAから金融ライセンスを取得する必要があります。もしFMAから許可を得られれば、ニュージーランド政府のお墨付きを得られたことになるので信頼性が大きく上がるのは間違いないでしょうが、取得の難易度は物凄く高いと思われます。
ちなみに、FMAから金融ライセンスを取得するにはNZFSPの登録が必須ですが、NZFSPだけではニュージーランド国内で金融サービスを行うことができません。
では、NZFSPで何ができるのかですが、ニュージーランドの非居住者向けの金融サービスが可能になります。
GEMFOREXはNZFSPの登録はありますが、FMAのライセンスは持っていません。つまり、ニュージーランド国内で金融サービスはできませんが、国外での金融サービスは合法的にできるということになります。これなんかちょっと変わってますよね?w
結局NZFSPの信頼性はどの程度?
NZFSPのニュージーランド国内向け営業はダメだけど国外はOKというのが若干ややこしい感じがしますが・・・
NZFSPはニュージーランドの金融庁ではない為、GEMFOREXのライセンス番号「FSP564306」を金融ライセンスと呼ぶには正直微妙です。金融庁であるFMAのライセンスがあるなら間違いないんですけどね。ただ、金融サービスプロバイダーのライセンスを金融ライセンスと捉えることもできますし、国外で合法的にサービス展開できるライセンスは持っているのでセーフといえばセーフと言えるでしょうw
尚、かつてはNZFSPの登録が簡単だったが故に、詐欺業者による詐欺行為が横行した為、ここ数年はライセンスの取得が大分難しくなってきているようです。既存の登録業者でも、条件を満たしていなかったらライセンスを剥奪されたりしており、NZFSPの信頼度は以前に比べると高くなってきていると見ていいと思います。
以上、GEMFOREXの金融ライセンスの信頼性について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?大手海外FX会社であればだいたいどこもタックスヘイブンの国でライセンス取得していて、正直な話私はどこも似たり寄ったりだと思ってます(賛否両論あるかもしれませんがw)。
結局のところどの金融ライセンスを取得しているかよりも、ライセンス以外のサービス内容を業者選定の決め手にされている方が殆どではないでしょうか?
2023年11月9日(木)更新
GEMFOREXは2023年5月27日に「M&Aによる事業継承の協議開始」を発表後、5月31日に一時サービス停止となりました。それから協議の結果、債務(出金遅延分)の継承・各種条件・買収金額で合意となり、8月1日にGalaxy DAOへ事業譲渡されたことになっていますが、8月15日公開のホワイトペーパーV1にて出金は行わず、その分独自トークン「GBOND」を発行すると発表されました。10月31日公開のホワイトペーパーV2でも大まかな内容は変わらず、これまでの経緯を踏まえれば出金される期待値は極めて低いと言わざるを得ません・・・。
尚、GEMFOREXの一時サービス停止・M&A事業継承協議・買収先(GalaxyDAO)・規約違反者への対応厳格化・出金遅延に関しては下記の記事をご参考ください。
コメント